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【2025年11月14日03:54 】 |
ローソンで働く女性たち 少数でフロンティアに立つ
ローソンで働く女性たち 少数でフロンティアに立つ

AERA:2008年8月18日号印刷ソーシャルブックマーク全社員の9割が男性。女性スーパーバイザーも女性管理職もごく少数にすぎない。会社はそれを逆手に取った。フロンティアに立つ女性たちが、ローソンを牽引している。(AERA編集部・福山栄子、片桐圭子)熊本市内のレストランで、ランチをしながら取材した。相手は、九州ローソン支社で唯一の女性スーパーバイザー(SV)、林由美子さん(27)。SVは、複数店舗を受け持ち、商品選定から仕入れ個数、売り方まで、あらゆることをオーナーや店長にアドバイスする総監督のような存在だ。ローソンで働く3000人中1000人がSVで、「花形」職種だが、女性はわずか30人しかいない。話が途切れたわずかの隙に、林さんが嬉しそうにつぶやいた。「女の人同士でランチって、ほとんどしたことがないんです」2004年入社。博多の繁華街で店長をしていたころは、プライベートで出かけても「常連」のホームレス男性から「店長。どこ行くの。」と声がかかるほど、地域の人に愛された。07年春にSVになり、熊本市内の8店を担当している。●負けてもいいの。上司からの指示や同僚SVとの打ち合わせ、自身の販売目標宣言などを含め、携帯メールは1日に40通以上。ロゴ入り社用車で毎日4、5店を回る。売れ行きの鈍いスリムボトル飲料が、角度を変えて形がわかるように置いただけで売れる。世の中の動きも、売り上げに直結する。タスポの導入後は、たばこがよく売れるようになった。ガソリン価格の高騰で外出を控えているからか、日曜日の売れ行きがいい。それでも従来どおり日曜日の仕入れを少なくしたがる店では、「もっと強気にいきましょう。」と声をかける。担当する店には幸せになってほしいから、できることは何でもする。今年1月、県内の観光名所にちなんだオリジナル商品「七城メロンパン」を発売したときのことだ。販売個数では、誰にも負けたくなかった。新商品の仕入れ個数は、同僚SVの中でも秘密中の秘密。さぐり合い、隠し合いつつ掴んだ数字は平均1日100個。多いところで200個だった。「400個でいきましょう。」尻込みする同い年の店長を、売り方次第で1日に400個売れたパンがあると説得した。「負けてもいいの。 残ったら私が買うからやっちゃおうよ」発売当日の店舗には幟とポスターに加え、店長が大きく墨で手書きした張り紙。400個を売り切った。九州地区880店舗で、トップだった。●自分の居場所を作るどうしてそんなに負けたくなかったんですか。と問うと、「入社してからずっと、女性は自分だけという場面が多く、どうしても『女の子』と見られがちだった。だから、仕事の上できちんと結果を出したかったんだと思います」小売業といえば、女性が多いイメージが強いが、ローソンは社員の9割が男性だ。全国津々浦々で出店すべき場所を探し、土地を買い上げたり借り上げたりして店舗を建設し、「パパママストア」をチェーン店に仕立てていく仕事は、不動産業に近い部分がある。土地の所有者やオーナーのほとんどが年配の男性という現実が、女性たちの進出を阻んできた。だから、1割しかいない女性たちにはまだ良くも悪くも、「自分の居場所を作る力」が求められていると、人事制度改革を担当する部長の曽我野麻理さん(45)は話す。ただ、この力はいま、男女や年次にかかわらず、すべての社員に求められているともいう。筆頭株主がダイエーから三菱商事に代わったのが01年。翌年、三菱商事出身の新浪剛史氏が社長に就任。「地域密着」をスローガンに、03年に支社制を敷いた。●システムより人の力資本と権力を本部に集め、効率重視で全国に均一な店舗を展開するのがコンビニエンスストアの基本だ。曽我野さん自身、外資系金融機関や人事コンサルティング会社などを経て04年に入社するまでは、「コンビニ=システム産業」だと思っていた。「意外にも、ローソンの本部に中央集権的な雰囲気はなかった。現場の能力や判断に、多くのことを負っていたんです」「地域密着」も、「消費者の立場で見れば正しいですよね。出店すれば儲かる時代は終わって、システムより人の力が求められているんです」本部がすべきことは、自律的に働く人たちを増やし、その人たちが働きやすいようにサポートすることだ。そんな想いから、「HR改革」という部署を作った。人事の通常業務には当てはまらないけれど、やったほうがいいと思われることは、ここで何でもやる。たとえば、「クルー」と呼ばれる店舗のアルバイト採用は、店長がやるべきことで本部の仕事ではない。でも、クルー不足が各店で大きな問題になったとき、部下とともにサポート役を買って出た。店舗ごとではなくローソンとして募集広告を出そう。申し込みはコールセンターで受けて、応募者の住所に近い店舗に紹介しよう。クルーのSNSも作ろう。大成功はしなかったけれど、「本部が自分たちの声に耳を傾けてくれた」とオーナーたちに感謝された。女性が少ないゆえに、誰もがフロンティアに立っている。だから、開拓すれば道は開ける。●競合も取り込んだ店を東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で店舗開発を担当する松川理恵さん(34)は、出店すべき場所を探し当て、オーナーの資質や目標売り上げを達成できるかを審査して、実際の開店までを担当する。「街」は、もはや飽和状態で、主戦場は「建物の中」に移っている。ビル、駅、病院、官公庁、そして大学。建物の収容人数は。 その人たちの食に対する欲求は満たされてる。 コンビニの需要があるかどうかは、この二つの問いへの答えでわかるから、建物内にある企業の福利厚生セクションを訪ねては担当者の声を聞く。「自動販売機が古い」「売店の品物は代わり映えしない」「食堂が込んでいる」などと不満が返ってくれば、そこは新たな出店場所になりうる。時間が勝負だ。即断しないと競合に持っていかれるから、建物の管理会社やオーナーからの宿題は翌日に持ち越さない。交渉は互いの集中力が続く1時間以内と決めて、できるだけ多くニーズを聞き出す。駅ナカなら、電子マネー機能を備えた乗車カードで支払いができるようにし、車椅子で利用する人の多い病院内なら、ひざの上に置ける小型の買い物かごを用意する。同業他社だけでなく、ドラッグストアやカフェもライバルだ。「今後は利用者のニーズに合わせて、競合を取り込んだ店を作りたいんです」たとえば、カフェ併設コンビニ。「待ち合わせ時間より10分早く着いたけど、ただ立っているのはいや」というニーズがあるんじゃないか。●この人のために頑張る山地あかねさん(32)は、20代、30代の男性が利用者の中心というコンビニの世界で、女性をターゲットにローソンが展開するナチュラルローソンの商品企画を手がける。最初に手がけたのはサンドイッチ。コンビニでは女性には売れないと聞いていた。棚を眺めるうちに気がついた。「色が足りないんだ、って」トマトの赤みがどこにもない。野菜の量も少ない。レタスの上にトマトを、と言うと、工場は「載らないよー」。カットするときに野菜同士が滑って向きが変わってしまうのだ、と。工場で製造過程を確認し、素材を一つひとつ追加して、トマト、レタス、キュウリ、タマネギと野菜たっぷりのサンドイッチができた。目指すのは、「女性たちがそれを食べてる私が好き、と思える商品」。週末は「それ」を探して、夫と街を歩き回る。チョコレートクリームに何を混ぜるとおいしいのか。人気のサンドイッチ店で売れている具材は何か。デパ地下の行列に並んでプリンを買い、話題の「お取り寄せ」商品はすべて試す。07年秋、子会社だったナチュラルローソンがローソンの一事業部になった。新浪社長は社長室に社員を集め、こう話した。「皆さん、こんにちは。ようこそ、ローソンへ。不安だと思うけれど、共に頑張りましょう。バックアップします」雲の上の人だと思っていた社長をすごく身近に感じた。「あ、この人のために頑張ろう。って思えたんです」●新浪ローソンの先兵に女性の登用に経営トップのコミットメントが不可欠なことは、もはや常識。「元気になろーソン。プロジェクト」のリーダーを務める小嶋衣里さん(32)はまさに、新浪社長の命を受けた「先兵」だ。1998年に入社し、直営店の店員、店長、本部の社内研修部門とキャリアを重ねたが、思いがけず入社4年目で長男(6)を出産した。育休中に新浪ローソンが誕生。出産した女性社員の復帰は前例が少なく、激変する会社についていけるのかという不安もあったが、「予想外に早く子どもができたのは、『一度休んで戻ってきて、ちゃんと働け』っていうことだと思うことにしました」その彼女を、会社は見逃さなかった。復帰後は広報に配属され、一人で社内報を担当した。全国各地の店を取材する日々を丸3年。社内でも有数の「顔の広い人」になった。そこから先は、社内横断プロジェクトの「顔」を次々と任された。ローソンは05年、30周年記念として一般から「未来のコンビニ」のアイデアを募集。小嶋さんは、最優秀賞に輝いた「子育て応援コンビニ」を「ハッピーローソン」として実現させるためのプロジェクトでリーダーを務め、横浜への出店を果たした。08年4月からは「元気になろーソン。プロジェクト」に取り組む。小売りをめぐる状況は厳しく、社会も閉塞感に満ちている。「元気になろーソン。」は、ローソンから社会を明るく、と社長自ら掲げたスローガンだが、大きすぎ、抽象的すぎる概念で、前回のように「店を出す」といった明確な目標もない。趣旨を理解してもらうために、ロゴ入りジャケットを着込んで再び全国行脚。ヒアリングやアイデア募集の結果が、「夏を元気にするイチオシ商品」10品や、クルーのバンドコンテストに結実しつつある。●みんなが集う場に憧れもう一人、小嶋さんと同じように全国を回っている人がいた。運営教育研修部の四方田美穂さん(31)だ。「本当に、ここ2カ月ぐらいなんですけど、人と一緒に未来を作っていく、それが自分の使命だって気がついたんです」開店1、2年目の店舗を中心に、40代から50代のオーナー向け研修を主に担当している。意気込んで「指導」しようとすると「お前に俺の痛みがわかるか」と言われるが、聞き役、カウンセラー役に徹すれば、研修後にはおいしいビールが飲める。一方的にプレゼンするだけでなく、一緒にVTRを見たり目標や夢を振り返ったり。この場はみんなで作るんです、周りの人のいいところを盗んで帰って下さい、というメッセージを送り続けるうちに、彼らの目がはっと上を向く瞬間に出会える。原点は、中学3年の時に父が会社を辞めて始めた「ローソン」。夕方になると、部活帰りの高校生が毎日のようにやってきた。「コンビニって、みんなが集う場所なんだな」と憧れた。帰省すると、父と深夜まで飲み交わし、「俺のやりたいことはな。」「でも、本部としてはね……」と、議論する。「母と妹はもう、遠くから見ているだけです」そう言って、笑顔を見せた。アサヒ・コムトップへコラム一覧へ新聞購読のご案内アスパラクラブページトップへ戻るasahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。サイトポリシー個人情報著作権リンク広告掲載サイトマップお問い合わせ・ヘルプ

[引用元:朝日新聞]

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【2008年09月03日10:50 】 | News
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